HOME >その他の症状>四十肩・五十肩

カイロプラクティックの視点から四十肩・五十肩を解説

四十肩・五十肩

 「痛くて肩を動かせない。」「腕を上げると肩が鋭く痛む」

 このような症状を、四十肩・五十肩と言います。

 40〜50歳代に発症しやすい為にこのような名前がついていますが、実際はあまり年齢と関係はなく、どの年代でも発症する事があります。

 四十肩・五十肩の痛みは激烈で、多くの場合、腕を上げる事もままならなくなります。しかも治りにくいため、長期的に悩まされる方が多いようです。

 このような四十肩・五十肩について、カイロプラクティックの視点からその原因と対処方、そして、その治療法についてを紹介していきましょう。

四十肩・五十肩は肩のケガ

肩が痛い

 四十肩・五十肩とは、簡単に言えば肩関節のケガです。ケガといっても、筋肉や靭帯が断裂したり、脱臼したなどという大げさなケガではなく、 無理な運動をして足首をねん挫した程度の軽〜中程度のケガに例える事ができます。発症のきっかけは、肩を無理に動かしてグキッといった、変な姿勢で寝た、などがよく聞かれます。

 ケガそのものはひどくなくても、症状は深刻です。少しでも肩を動かすと強く痛むだけでなく、なかなか治らずに長期にわたって症状が継続します。このように治癒が遅くなる要因は、「からだの中で一番自由自在に動く」という肩関節の特殊性にあります。 自由に動く為に構造を出来るだけシンプルにする必要があり、他のからだの部分と比べて血液を供給する血管が細くなっているため、ケガを修復するための代謝が悪いのです。

 ケガの修復が遅い原因は他にもあります。それは「腕の重さ」です。

片腕の重さは3kg

 どのような姿勢をしていても、人間の腕はつねに肩からぶらさがっている状態です。腕の重さは体重60キロの人で片方約3キロ。 つまり、何もしていなくても、肩はこの重さを支え続ける必要があります。これが肩にとって強い負担となり、ケガの修復を遅らせるのです。

四十肩・五十肩を予防するには

 ここまでをまとめると、四十肩・五十肩とは「ちょっとしたきっかけで発症する、なかなか治らない肩のケガ」だと言えます。 だとすれば、一番大事なことは肩を痛めないよう予防する事です。

 カイロプラクティックの視点から見ると、肩を痛めやすい人は、そうなりやすい要因をすでに持っていると考えます。 ですから、そのような要因を事前に排除できれば、四十肩・五十肩になるリスクを大幅に減らす事ができると言えるでしょう。

 肩を痛めやすくなる要因は代表的に以下の3つがあります。

  • 悪い姿勢
  • からだのゆがみ・ねじれ
  • ローテータカフの弱まり

悪い姿勢
 悪い姿勢
 まず一つ目は悪い姿勢です。特に背中の丸い猫背になると肩を痛めやすくなる傾向があります。 そうなる理由は、悪い姿勢が肩甲骨の動きが妨げるからです。

肩甲骨

 肩が動きに関係する骨は、腕の骨(上腕骨)だけではありません。例えば「バンザイ」をする動きの4割程度は、実は肩甲骨が担っています。

 悪い姿勢になると、背中は丸まり凸状になります。すると肩甲骨は外側に押し出され、動きが妨げられてしまいます。 その結果、肩関節に大きな負担がかかるようになってしまうのです。

からだのゆがみ
 肩甲骨の動きを妨げる原因は、悪い姿勢の他にもう一つあります。 それは「からだのゆがみ」です。からだのゆがみとは、からだのバランスの崩れた状態の事で、多くの場合、下の図のように背骨が左右にねじれて傾いた状態になります。

ゆがみ

背骨がゆがんだ状態。肩甲骨の位置が非対称になる

 注目してほしいのは、背骨が左右にゆがんだ事で、肩甲骨の位置も左右非対称になった点です。 肩甲骨と背骨との距離が広がった側は問題ないのですが、背骨との距離が縮った側の肩甲骨は、動ける範囲が通常より狭まってしまい、その結果、肩甲骨の動きを悪くしてしまうのです。

ローテータカフの弱まり
 もう一つの肩を痛める要因は、肩関節の深部にある筋肉の弱まりです。

ロテーターカフ

 上図は、肩関節の周囲を固めている筋肉の図です。専門用語でローテータカフといいます。 これらの筋力が弱まると、肩関節を痛めやすくなると考えられています。 しかし、ローテータカフは肩の深部にある筋肉ですから、弱くなっているかどうかの判断が難しいのが難点です。

 そこで、下図を参考に筋力テストしてみましょう。 図のように、肘を伸ばし両手を肩より上にあげます。この状態を30秒間、苦もなく維持できたなら、ローテータカフの筋力は十分だと考えて良いでしょう。もし手が震えたり、だんだん肩が下がってくるようならば、ローテータカフの筋力は弱まっている証拠です。

 ※ローテータカフのトレーニング方法は、こちらで解説しています。

ローテータカフテスト

図A この状態を30秒維持

もし四十肩・五十肩になってしまったら

四十肩・五十肩

 ここまで四十肩・五十肩の予防について紹介しましたが、仮に不幸にも、四十肩・五十肩になってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。

  残念ながら一度四十肩・五十肩になってしまったら、短期間で完全に良くする方法はありません。 何故なら、四十肩・五十肩は「ケガ」である為、からだにそなわっている治癒力以外それを治す方法はないからです。 薬やカイロプラクティックなどの治療は、痛みを緩和して治癒を早める事は出来ますが、ケガそのものを治す事はできません。

 ですから重要視すべきは、できるだけ治癒までの期間を短くする事と、症状を再度悪化させない事です。 その為には以下に紹介する四十肩・五十肩の「治癒の三段階」を知っておくと便利です。

段階1)発症した直後
 肩を痛めた直後〜数日は、切り傷に例えれば出血が続いている状態です。当然、肩を動かせば傷は広がってしまいます。この段階では、どのような治療もあまり効果はありません。無理に動かしたりせずに、できれば肩全体を湿布や濡れタオルなどで冷やすなどをしておきましょう。痛みのひどい場合は病院にいって痛みどめなどをもらうと良いでしょう。

段階2)肩を動かすと痛みのある期間
 初期の痛みが落ち着いてきたら、ある程度治癒が進んだ状態です。切り傷に例えるなら、かさぶたが出来かけている段階だと言えます。 痛みのない範囲でならば肩を動かすのも問題ないのですが、無理をすると、出来かけのかさぶたがはがれて再度出血してしまうように、症状は悪化してしまいます。 痛みのある間は、無理に動かそうとせず、痛みのない範囲でのみ肩を動かすようにしましょう。ちなみに、カイロプラクティック治療はこの段階から有効になります。

段階3)痛みのなくなった後
 肩の痛みがほぼなくなったならば、治癒は最終段階です。切り傷に例えるなら、かさぶたが完全に固まった状態です。 この段階から肩のストレッチを開始して、運動機能の回復をはかりましょう。


 四十肩・五十肩の治癒を早める最大のポイントは、肩の痛みのなくなった治癒の第三段階から、運動機能の回復を始める点です。 多くの方は、痛みのある第二段階で肩を動かしすぎて、逆に症状を悪化させてしまう事が非常に多いのです。ですから、自分がどの治癒段階にいるかを正確に判断して、あせらずに対処する事が、四十肩・五十肩の早期回復には重要です。

四十肩・五十肩のカイロプラクティック治療
カイロプラクティック治療

 最後に、カイロプラクティックではをどのように四十肩・五十肩を治療するのか紹介しましょう。

 治療は、直接肩に行うものとそれ以外の2つに分けられます。それぞれ見ていきましょう。

肩への直接治療
 肩の直接の治療は、主に運動機能を回復する為に行います。肩関節を特定の方法でやさしく動かし、代謝を促進して運動機能を回復させます。 又、肩周辺の筋肉の働きを正常化する治療も行います。

肩以外の治療
 肩の機能を完全に回復させるには、肩だけでなく、からだ全体を調整する必要があります。 特に重要になのは、肩甲骨の働きを妨げる「悪い姿勢」と「からだのゆがみ」です。 これらを合わせて改善する事で、回復の促進と再発を予防します。具体的には、特殊なストレッチで丸まった背中を伸ばす治療を行い、からだの左右差を矯正します。

 全体の治療回数は、症状の程度により異なりますが、すでに肩に痛みのある場合は、少なくとも10回程の治療回数が必要になるでしょう。

  Category